出版メイキング 造本

「notebook」を単行本にするため、まずは「束見本」を作成。束見本とは、中身は印刷しないで、本の格好だけを作った見本品。「notebook」の場合に大事なのは、本のノドがしっかり開くこと。普通の本は真ん中にあたるノドが開かず、ノドの奥は見えないもの。しかし「notebook」の元であるスケッチブックは、完全にページを開いた状態でノドの奥まで絵が描かれている。それを再現するために、限界まで開く造本を可能にしようと考えて、3パターンの束見本を作成した。

造本

元の「notebook」はこのように本のノドまで絵が描かれていて、絵柄がノドを越えて左右に渡っている状態。

このように本がしっかりと開いた造本にすれば、見開きで描いた原稿も、真ん中のノドの継ぎ目で見えなくなることはない。

ノド部分のアップ。これは開きにくくて没になった束見本。背表紙が固いので、背に接着した紙が動きにくいのだ。その代わり丈夫である。

同じくノド部分のアップだが、これは開きやすいほう。開きにくい見本と比べればわかるが、背表紙がしなって曲がっている。これは背表紙で紙を接着させているノリが特殊で柔らかく、紙が動きやすくなるため。こうした研究を重ねて、よく開く造本を作っていく。

表紙イラスト

「notebook」はスケッチブックをそのまま単行本にする企画ゆえ、表紙イラストが存在しない。できるだけ自然な形で「表紙」を作るために、束見本で作った表紙カバーにそのまま描くことが計画された。そこでアイディアが浮かばなかったら、「notebook」の中身のイラストを表紙に転用することにして進めたが、小林系はカバーを巻いたままの束見本に絵を描いて表紙を完成させた。